『国際市場で逢いましょう』CINEMA REVIEW~「家族のために、懸命に生きてきた」

 

writer/K・Kaz

 

 今回は韓流映画「国際市場で逢いましょう」を紹介したいと思います。(一部ネタバレあり)

 まずは、「国際市場で逢いましょう」のストーリーからご紹介します。

 

STORY

 朝鮮戦争時の興南撤収作戦による混乱の中、少年・ドクスは妹のマクスンと離ればなれになってしまいます。父親はマクスンを探しに戻る前、
「今からお前が家長だ。家族を守ってくれ。いつか国際市場で逢おう」
そう言い残して逃げてくる人ごみに消えてゆきました。

 

 ドクスは母親と幼い弟妹と共に避難民として、釜山の国際市場で叔母が経営している小さな露店「コップンの店」に身を寄せることになります。
やがて逞しい青年に成長したドクスは、父親の代わりに家計を支えるため、西ドイツの炭鉱への出稼ぎに向かい、落盤で間一髪の目にあいながらも愛する妻・ヨンじゃと出会い韓国に連れて帰ります。しかし、生まれてくる子供を育てる金を稼ぐため、妻の反対を押し切って今度はベトナム戦争で民間技術者として従事するなど、懸命に働きます。

 

 ドクスは幾度となく生死の瀬戸際に立たされますが、いつも必死に笑顔で生き抜いてきました。全ては最後に交わした父との約束を守って、生き別れた父と妹を約束の場所で迎える為でした。

 

 

 
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REVIEW

 主人公・ドクスはごく普通の、真面目で働き者の男です。いつも家族の為に自分の体を張って働き続け、父親との約束を忘れることなく胸に刻んで生き続けます。
「絶対にもう一度父さんに会うんだ」
という強い意志は、ドクスがピンチに直面した時に
「こんな所で死ねない!」
と底力を振り絞る原動力となってくれます。そして、そのひたむきな想いは思いがけない奇跡を生むときもあります。

 

  また、朝鮮戦争やベトナム戦争、韓国の貧しい時代など、歴史のターニングポイントがドクスの人生を通して描かれているのも見どころの一つです。後から見れば大事件でも、その当事者としては日常の一部であり淡々と、時にはのんびりとしていた日常。それがある瞬間からガラッと雰囲気が変わってしまうのが、より先の見えない恐怖感や緊迫感を引き立てていました。

 

 本作品の評価は星4とさせていただきます。何の変哲もない日常にまぎれた偉大な家族愛の物語が胸を打つ作品でした。「新しき世界」では大物ヤクザ、「アシュラ」では冷徹で自分の欲の為ならどんな汚い事でも辞さない悪徳市長を演じてきたファン・ジョンミンさんが真っ正直で誠実な青年・ドクスを演じているのも新鮮でした。

 

 

 

K・Kazのこの映画の評価4

(本ブログでの、レーティング評価の定義)

☆☆☆☆☆(星5) 93点~100点
☆☆☆☆★(星4.5) 92点
☆☆☆☆(星4) 83点~91点
☆☆☆★(星3.5)80点~82点
☆☆☆(星3) 69点~79点

 

 

 

執筆者紹介

K・Kaz

石川県在住の男性です。

週末には、映画を5~7本ペースで観ていらっしゃるそうです。

 

 

 

 

 

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