うつむいていて、反応がない駅員さん
たほちゃん
よく晴れた秋の黄昏時でした。
私の住んでいるところはとても田舎で、電車もあまり多く走らないような所です。
高校生だった私は、学校帰りに駅で母の迎えを待っていました。小さな駅にある改札口には、小さな駅員室があり、薄暗い蛍光灯の明かりがチカチカとしていました。
わたしは駅員さんに用事があり、駅員室の窓から2回ほど声をかけましたが、駅員さんは後ろを向き、うつむいていて反応がなく、おかしいとは思いましたが、大したようでもなかったので諦めました。
しかたなく外にあるベンチに座り、数分後駅員室に視線をやると電気は消え、シャッターは閉まっていました。日も落ちた頃だったので、退勤の時間なのだと思いましたが、シャッターが閉まる音も聞こえなかったように思いました。なんだか気味が悪いと思うと緊張からか喉がかわいできたので、飲み物でも買って気分転換でもしようと自販機の前に立ち、お金を入れ、ボタンを押していると母が到着しました。
母は、
「お待たせ!おかえりなさい!」
と言って私を車に乗せると窓の外の自販機を見て、小さく会釈しました。
私が、
「誰もいないのになんで会釈したの?」
と聞くと、私の隣に駅員がたっていたというのです。顔色が悪く、うつむいている駅員が隣に立っていたと……
もちろん私以外、その駅には誰もおらず、私の隣には人はたっていませんでした。
薄暗い駅員室。黄昏時の不思議な出来事に私と母は背筋が凍る思いをしました。
その後、何度その駅を利用しても、駅員室のシャッターが開くことは1度もありませんでした。
(おしまい)
執筆者紹介
小さな時から人には見えないものが見えたりします。
体験談はいくつかありますので、書いていこうと思います。
体験談はいくつかありますので、書いていこうと思います。
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