父と買い物に行った話
さくらいづる
先日、五十代の父といっしょにデパートへ買い物に行きました。最近ストレスがたまっていて、おしゃれなものを買ってぱぁっと明るい気持ちになりたいなぁ、と。服売り場から意気揚々と見てまわっていたのですが……
あ、あの花柄のワンピース可愛い、今しか着れないデザインだし! とマネキンに近寄ったところで父が一言。
「そんなムームー、母さんのタンスにあったぞ」
ムームーって…、と一気に健康ランドのイメージがわいてきて手を引っ込める私。
べつの白いワンピースを見ていたら、「松田聖子みたいやな」と父。
流行りの服が昭和アイドルのイメージに……。
気を取り直して靴売り場にも行きました。オシャレなデザインのスニーカー、歩きやすそうだしいいなぁと思って見ていたら、父が横から、
「そのズック、ええでないか」。
ズック……、何だか急にカッコよく思えなくなる私。
やっぱりミュールかなと、繊細なデザインのミュールを試しに履いてみると、父。
「つっかけや、履いていくとこないやろ」
……つっかけって。
節約・無駄遣い防止に、欲しいものをダサく言い換える工夫をネット上で見たことがありますが、リアルにジェネレーションギャップのある人と買い物に行くと、意外な視点でツッコんでくれて購買意欲がダウンするかもしれません。
私は結局この日、何にも買わずにデパートを後にしたのでした…。
おしまい
執筆者紹介
さくらいづる
星座占いなどの記事も書いているライターです。
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流行のアイテムも、ひと時代前に古くなった品物だとわかれば、興醒めですよね。