『アウトレイジ 最終章』映画レビュー~「全面戦争、勃発。全員、暴走!」

writer/K・Kaz

 

 

 今回は、邦画『アウトレイジ 最終章』をご紹介したいと思います。(一部ネタバレあり)

 

 

STORY

 

 関東最大の暴力団組織・山王会と関西の雄・花菱会との抗争が終結し、韓国に渡った大友。日本と韓国を牛耳るフィクサー、張会長に助けられ、韓国の済州島で身を隠していました。
 ある日、大友たちが経営するエスコートサービスの客がホテルで騒いでいると連絡が入ります。大友が駆けつけてみると、女の子は殴られており、客は花菱会幹部の花田と名乗ります。
 その場は、花田が迷惑料を払うということで収まります。
 ところが、大友たちのことを侮った花田は、集金に来たチンピラを殺します。
 日本に帰った後、花田は事の重大さを知り、若頭補佐の中田と共に張会長の詫び入れに行きます。しかし、花田達の態度が気に入らない張会長は、謝罪をはねつけます。花田は若頭の西野と会長の野村に鯛会長と話を付けてくれるように頼みこみます。
 しかし、密かに野村の失脚を狙う西野は、この機会を利用しようと考えていました。そして西野は裏から手を回し、張会長と花菱会の抗争を画策します。

 

  一方、大友は手下を殺されて怒りが収まりません。張会長の忠告も振り切って日本に戻ってきます。そして、張会長と花菱会の争いに巻き込まれてゆくのでした。

 


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REVIEW

 

 「アウトレイジ」「アウトレイジ ビヨンド」に続く三部作の完結編です。
  出てくるヤクザたちは、金や権力を求めてギラギラしている者ばかりです。
 建前は義理だとか上下関係だとかを大切にしているようなことを言いますが、裏では足を引っ張りあい、隙あらば自分だけが上へ行きたい、良い思いをしたいと腹黒い計略を巡らせます。
 裏社会に生きる人間と言うのは、本当はこんな風に生きてゆくものなのかもしれないと思えてきます。
  ヤクザの世界だけでなく、警察も単純ではありません。表向きはヤクザを取り締まろうとしています。しかし、横槍が入るとコロッと態度を変えて捜査を打ち切ったりします。ただ一人、刑事の繁田だけが真っすぐな心を持っていますが、思うように行きません。段々と組織からはみ出していってしまいます。
  主人公である大友も、こんなヤクザたちの中では珍しく義理人情を重んじています。張会長も、そんな人柄を見込んで特別に目をかけている様に思えました。
 しかし、そんな大友の思いも、結局は花菱会の権力抗争に利用されてゆきます。
 真っすぐな大友の行動は、時には、誰よりも過激で凶暴で、容赦がありません。
 しかし、裏に隠れてコソコソと計略を巡らすのではなく、大友は常に先頭に立って銃を握ります。ドロドロとした世界の中で、大友だけは漢気と悲哀に満ち、張会長や仲間たちとの揺るぎない信頼と尊敬の関係を持ち続けている、
「アウトローの中のアウトロー」
 に思えました。

 

 この作品の評価は星3.5とさせていただきます。

 

K・Kazのこの映画の評価3.5

 

(本ブログでの、レーティング評価の定義)☆☆☆☆☆(星5) 93点~100点
☆☆☆☆★(星4.5) 92点
☆☆☆☆(星4) 83点~91点
☆☆☆★(星3.5)80点~82点
☆☆☆(星3) 69点~79点

 

監督/北野武
製作国/日本
公開/2017年10月7日
出演/     ビートたけし
西田敏行
大森南朋
ピエール瀧
大杉漣
松重豊
白竜
光石研
原田泰造
中村育二
津田寛治
池内博之
塩見三省
岸部一徳
上映時間/104分

 

 

 

 

執筆者紹介

 

writer/K・Kaz

石川県在住の男性です。
週末には、映画を5~7本ペースで観ていらっしゃるそうです。

 

 

 

 

 

 

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