『とりかえ・ばや』コミック・レビュー~男の子と女の子の立場がチェンジ!原作は、平安時代成立の『とりかえばや物語』


とりかえ・ばや(1) (フラワーコミックスα)

 

writer/にゃんく、にゃん子

 

 

STORY

 

時は、平安時代です。
ある日、上流貴族・藤原丸光(まるみつ)に、子供がさずかります。
丸光には、ふたりの奥方がおりましたが、そのふたりの奥方に、ほとんど同時に、それぞれひとりの赤ん坊(男の子と女の子)が産まれました。そして、女の赤ん坊には、沙羅双樹(さらそうじゅ)、男の赤ん坊は、睡蓮(すいれん)と名付けます。

月日がながれ、きょうだいは成長します。

が、姫君の沙羅双樹は女らしく振る舞うことができず、若君の睡蓮は男らしく振る舞うことができません。
ふたりは双子のように美しくそっくりの容姿に成長します。
やがて14歳になったとき、その評判が帝の耳にまで届き、丸光は、女の子の沙羅双樹を、男の子のふりをさせ、宮中に宮仕えさせることになります。
 一方の(男の子の)睡蓮は、女としての本性を隠したまま、東宮(とうぐう)様の世話をするために仕えることになりますが……。

 

REVIEW


とりかえ・ばや 2 (フラワーコミックスアルファ)

 

男女のきょうだいが、それぞれ、男は女のフリをして生き、女は男のフリをして生きる、という物語です。

原作の『とりかえばや物語』の成立は、平安時代末期と言われています。作者不詳の物語です。

1巻の作者(さいとうちほ先生)からのメッセージでは、『これを読んだ時は「日本人のDNA恐るべし」と驚きました。「男装女子」に「男の娘」に「BL風」…て今のサブカルチャーじゃあないですか-。古くて新しい日本の古典に敬意を表しながら挑戦しています。』とあります。

アニメの登場人物を装って、コスプレしたりする日本のサブカルチャーはクール・ジャパンとして、世界に輸出されています。そのサブカルチャーの源は、実は平安時代からすでに端を発していたのかもしれませんね。

現代でも、自らの性に違和感をおぼえるマイノリティーの方は、少なからずいらっしゃいます。最近では、同性同士の結婚を、法制度的に認めようという動きもあります。

アメリカでは、すでにそのような法制度が整っているところもあると聞いています。ですから、今にかぎらず、昔から、自分の性に悩む人は、けっこういたのだなあ、と。平安時代成立の物語ですが、まさに現代に生きる人間にとっても、身に覚えのある、切実なテーマといえるかもしれません。

 

にゃん子さんのREVIEW

 

絵がきれいでいいです。
石路(つわぶき)、ほんとムカつく。自分勝手すぎる。(石路は、いろんな女と交わる、イケメンだけど、浮気性のおとこです。)
沙羅双樹は、女だけど、男のフリしたりして自分を抑えているのに、石路は自分勝手に行動して、ほんとムカつきます。すべての女性の敵だと思います。

 

男なのに女のフリしてる睡蓮は、はじめ人前に出るのも恥ずかしく思う子でしたが、東宮様の下で働くようになったりして、ちゃんと成長しています。
女東宮がホンワカしていて、超カワイイ、と思いました。

登場人物それぞれの気持ちがわかりやすい漫画だと思います。

 


にゃん子さんの評価↑4.5

 

にゃんくのREVIEW

女と男って、難しいやね。と思いました。

古典文学の『とりかえばや物語』のいいところを、漫画でお手軽に楽しく読めるのがオススメですね。
なかなか波瀾万丈の物語展開だと思います。

 


とりかえ・ばや 3 (フラワーコミックスアルファ)

 

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レビュー執筆者紹介


にゃん子
 

30代女性。

ネコが大好き。フクロウも大好き。ヒョウモントカゲモドキ(ヤモリ)も大好き。

 

 

にゃんく

にゃんころがりmagazine編集長。X JAPANのファン。カレーも大好き。

 

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