writer/K・Kaz
今回は、韓国映画『アタック・ザ・ガスステーション』をご紹介したいと思います。(一部ネタバレアリ)
STORY
深夜、コンビニにたむろする 4人の若者たち。
“ノーマーク” “タンタラ” “ペイント” “無鉄砲”。
4人には、仕事も夢もありません。
ある日、4人は、“ただなんとなく”ガソリンスタンドを襲撃して金を奪うことを決めます。
実は、今回が二度目の襲撃でした。しかも、標的は前回と同じガソリンスタンドでした。ところが、暴れるだけ暴れてお金もせしめた前回とは違い、今回はレジにつり銭しかありませんでした。腹を立てた4人は、社長やアルバイトの高校生“乾パン”、“頑固者”、カルチの4人を監禁します。
ところが、4人が逃げようとした時、何も知らない客がやって来てしまいます。しぶしぶ、店員のふりをして対応する4人でしたが、横柄な態度の客ばかりでブチ切れてしまうのでした。
REVIEW
話が進んでゆくうち、単にキレやすい若者と思われていた4人の背景が明らかになってゆきます。
“ノーマーク”は、指導法に反抗し野球を辞めた天才ピッチャー。
“タンタラ”は、音楽を愛しているのにまるで売れないロッカー。
“ペイント”は、画家志望で、勉強を押しつける父親に反抗しつづけています。
“無鉄砲”は、学生時代に頭が悪いと皆から馬鹿にされ、教師からは体罰の対象だった過去を持っています。
監禁されたガソリンスタンドの店員4人も、時間が経つうちにお互いの不満が噴出しだして、争い
になったりします。
店員に金をせびりに来た不良も、“無鉄砲”に殴られて監禁室送りにされてしまいます。一緒の部屋にいた店員に怒りをぶつけるものの、返り討ちにされたりします。
単なるキレやすい若者を描いただけでなく、当時の韓国社会にあった不満が沢山描かれています。
最初は、傍若無人な強盗に思えた4人が、段々と理不尽をぶっ飛ばしてゆくヒーローに見えてきます。
実際、韓国でこの映画が公開された直後には、ガソリンスタンド強盗が急増したほど、当時の韓国社会に影響を与えたそうです。
本作品の評価は星4とさせて頂きます。この作品が公開された1999年頃は日本で公開されていた韓国映画はまだそれほど多くなく、劇場で見た時には、
「韓国ってこんなパワフルでスピード感に溢れた、ハチャメチャな映画を作る国なんだ」
と衝撃を受けたのを覚えています。
K・Kazのこの映画の評価4
監督/Kim Sang-jin
製作国/韓国
公開/1999年
出演/イ・ソンジェ
ユ・ジテ
ユ・オソン
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writer/K・Kaz