writer／K・Kaz
今回は、邦画『キサラギ』のレビューをおとどけします。
まずは、ストーリーからご紹介します。
STORY
某ビルの一室に、互いに面識のない五人の男たち（ハンドルネーム: 家元、オダ・ユージ、スネーク、安男、いちご娘。）が集まります。
彼らはD級マイナーアイドル・如月ミキのファンです。
家元が立ち上げたサイトを通じて知り合い、如月ミキの一周忌のために集まったのです。
その日、彼女を悼むのが会合の趣旨でした。
最初は、コレクションしたファングッズを自慢しあう和やかな会でしたが、出席者の一人であるオダ・ユージが、
「彼女の死には不審な点がある。これは他殺だ」
と言いだしたことで状況は一変します。
公式発表では、如月ミキは一年まえ、マネージャーの留守番電話に遺言メッセージを残し、自宅マンションに油をまいて、焼身自殺したことになっていました。
しかし、オダは如月ミキに、ストーカーがいたことを明かし、そいつが犯人だと言いだします。
如月ミキの死の真相に迫ろうとする男たち。
「もしかして、この中に犯人がいるかもしれない……」
と疑心暗鬼に陥りながらも、それぞれが個人的に知りえた断片的な情報を持ち寄って推理を繰り広げます。
はたして真相にたどり着けるのか……？！
REVIEW
話のほとんどが、パーティ会場の中で展開してゆく密室推理劇です。
本名すらわからない五人ですが、話が進むうちに、じつは、それぞれが如月ミキと個人的に接点があることが分かってきます。
誰かが情報を明かすたびに、彼女が死んだ夜のことが少しずつわかり、そのたびに、
「こいつが犯人では？｣
と新たな疑惑が生まれてきます。
熱狂的なファンばかりのなかで、如月ミキを焼き殺した犯人となれば敵討ちで殺されかねない状況にもなります。
そんな緊迫した場面があるかと思えば、お菓子作りが趣味の安男が持ってきたアップルパイが腐っていて、それを食べた安男が頻繁にトイレに行くためにしょっちゅう途中退席して、戻ってくるたびに話の展開についてゆけずに困惑するなど、コミカルな要素もたくさん盛り込まれています。
適度にリラックスでき、見ていて飽きません。
五人を演じているのは、小栗旬・ユースケ＝サンアマリア・小出恵介・塚地武雅（ドランクドラゴン)で、それぞれが役に入り込んで魅力を引き出してくれているので、すぐ話に引き込まれます。
観客であることを忘れて、自分もその場で推理に参加しているような気分になれました。
本作品の評価は星４つとしたいと思います。
K・Kazのこの映画の評価４
監督／佐藤祐市
製作国／ 日本
公開／2007年
出演者／小栗旬
ユースケ・サンタマリア
小出恵介
塚地武雅
香川照之
上映時間／108分
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執筆者紹介
writer／K・Kaz
- 石川県在住の男性です。
- 週末には、映画を5～7本ペースで観ていらっしゃるそうです。
- にゃんくがリクエストした映画は、ほぼ全部ご覧になっていらっしゃるという、すごい方です。
- 淀川長治さんが生きていれば、互角以上の戦いができるのは、きっとＫ・Ｋａｚさんだけでしょう。