『マン・オブ・スティール』映画レビュー~「世界を変えようとする子どもがいたら――?!」

 

writer/K・Kaz

 

   

                    
 今回は、洋画「マン・オブ・スティール」を紹介したいと思います。

 

STORY

 

 

 地球から遠く離れた惑星・クリプトンは、資源をくみあげすぎてエネルギーが枯渇し、消滅を待つばかりとなっていました。クリプトン人たちは、運命を受けいれ、元老院の決定に従って、星とともに滅びるつもりでした。しかし、その運命に逆らおうとする者が2人いました。

 1人は科学者ジョー・エル。

 ジョー・エルは、生まれたばかりの息子カル・エルを宇宙船に乗せ、エル家の紋章が刻まれたコマンドキーとともに、遠くはなれた星に飛ばそうとしていました。

 もう1人は、ゾッド将軍。

 ゾッド将軍は、軍隊を率いて反乱を起こし、元老院の決定を覆そうとしました。

 しかし、カル・エルによって阻止されます。カル・エルはその時の戦いで死に、ゾッド将軍は部下たちと共に、異空間に幽閉されることになります。

 そして、その直後に、クリプトンは爆発して消滅します。

 それから三十年後の地球です。

 クラーク・ケントは、自分のルーツを探す旅をしています。

 クラーク・ケントは、幼い頃から超人的な力を持っていました。しかし、親との約束でその力を封印し、周りから浮いた孤独な少年時代を過ごしてきました。

 そして、クラークを守ろうとして父・ジョナサンが死んだのをきっかけに、クラーク・ケントは、旅に出ます。

 軍が南極の氷の下で巨大な宇宙船を発見した事を知ります。宇宙船の中に忍び込んだクラークは、父が残してくれたコマンドキーを宇宙船の操作盤に差し込みました。すると、記憶されていたジョー・エルの意識がホログラムとして出現しました。そしてクラークが本当はカル・エルという名で、なぜ地球にいるのかを教えてくれました。全てを知ったクラークは母・マーサの待つ家に帰りました。そして「自分の故郷が分かった」と告げ、二人は喜びを分かち合います。

 そのころ、巨大な宇宙船が飛来して、世界は騒然となります。クリプトンが消滅して、異空間から解放されたゾッド将軍が、クラークの存在を知って地球にやってきたのです。

 世界中の電波がジャックされます。

 ゾッド将軍は、
「我々の仲間が一人まぎれこんでいる。二十四時間以内に引きわたさないと、お前たちに災いが及ぶ」
 と脅します。

 クラークは、一度は将軍に投降することを決めます。しかし、惑星を改造するワールド・エンジンやジェネシス・チェンバーを使い、地球を第二のクリプトンにするべくゾッド将軍が人類を滅亡させるためにやってきたことを知り、クラークは地球を守るため立ちあがるのでした。

 

 

REVIEW

 

 

 「スーパーマン」のリブート(再始動)作品です。

 この作品で注目すべきは、クラーク・ケントが何故スーパーマンとしての使命に目覚め、人類を守ろうとしたのかが、丹念に描かれていることです。

 力は生まれ持ったものです。

 しかし、その力に戸惑うクラークを導き、
「力を見せればお前の力を恐れる人々も出てくる」
 と守ってくれたのは地球の父・ジョナサンと母・マーサでした。
 彼らのおかげで、クラークは大いなる優しさと力を悪用しない自制心を持つことができたのです。

 また、ゾッド将軍が完全な悪人ではない点も面白いところです。

 たしかに彼は、人類を滅ぼそうとします。しかし、異次元から解き放たれた後、残された部下たちを率いて三十年も宇宙をさ迷い続けていたのです。そして、やっとたどり着いた地球で故郷の星・クリプトンを蘇らせようとした結果、代わりに人類を滅ぼすしかなかったのです。クラークも、人類と共存するならゾッド将軍と戦うことはなかったかもしれません。

 しかし、ゾッド将軍は軍人として使命を全うすることしか考えられませんでした。そのせいか、心ならずも同胞と戦わなくてはならなくなったクラークは悲しく辛そうな表情でした。

  そんなふうに、登場人物の背景や心情までキチンと描いているので、ただのヒーローアクションものを超えた、深みのあるストーリーの作品に仕上がっていると感じました。

  本作の評価は星4.5とさせて頂きます。その後、
「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」
や近日公開予定の、
「ワンダー・ウーマン」
 にもつながっています。

 興味のある方は是非、そちらも観ていただきたいと思います。

 

 

K・Kazのこの映画の評価4.5

 

 

 

 

監督/ザック・スナイダー
原案/デヴィッド・S・ゴイヤー
クリストファー・ノーラン
製作国/アメリカ
公開/2013年
上映時間/143分
出演/     ヘンリー・カヴィル
エイミー・アダムス
マイケル・シャノン
ケビン・コスナー
ダイアン・レイン
ローレンス・フィッシュバーン
アンチュ・トラウェ
アイェレット・ゾラー
クリストファー・メローニ
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writer/K・Kaz

 

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