『人間の値打ち』~「ひき逃げ事故をきっかけに、人々の思惑が交錯するサスペンス」

 

writer/K・Kaz

 

今回は、現在上映中のイタリア映画「人間の値打ち」のレビューをおとどけします。

オフィシャルサイトには、「イタリア・アカデミー賞7部門受賞!」と表示されています。

まずは、ストーリーからご紹介します。

 

STORY

 

不動産店経営のディーノは娘セレーナのボーイフレンド・マッシの父親である富豪のジョヴァンニに近づき、大金を得るために、規約に違反して借金をし、ジョヴァンニが手掛けるファンドに投資します。

しかし、ファンドが資金難となり、投資金の殆どを失うことになってしまいます。
更に、ジョヴァンニの家の近くで起こったひき逃げ事件のことで、セレーナが警察に呼ばれ、激しく動揺します。

一方、ジョヴァンニの妻カルラは、裕福な生活を送りながら、心は満たされない日々を過ごしています。

ある日、町で唯一の劇場が、老朽化のため取り壊される予定であることを知ったカルラは、劇場再建のために奔走します。

しかし、夫のファンドが資金難となって計画が頓挫しそうになり、途方に暮れます。
さらに、パーティから泥酔して帰ってきた息子・マッシが、ひき逃げの容疑をかけられ、世間から容赦ないバッシングを浴びる事となります。

 

また、セレーナは、マッシと分かれているにも関わらず、そのことを周囲に告げることができず、未練タラタラのマッシとも距離をおけずにいました。
そんなある日、ミステリアスな少年・ルカと出会います。

過去に麻薬所持で逮捕されたことのあるルカを、最初は嫌悪しますが、やがて惹かれてゆくセレーナ。

そんな時、ひき逃げの容疑が、セレーナ本人とマッシにかけられていることを知るのでした。……

 

REVIEW

 

物語は、ディーノ・カルラ・セレーナ、3人それぞれの視点から語られます。

見てゆくうちに、同じシーンのあそこでは、実は裏でこんなことが起こっていたのかと驚かされて、どんどんと引きこまれて見てしまいました。

登場人物それぞれの欲、愛を求める気持ち、嘘や隠しごとが絡みあって、先が読めない展開となってゆきます。

誰にでも起こりそうな事件であり、実話を基にしているのかと思うほどリアリティーがありました。

題名の通り、「人間の値打ち」
「人生で最も大切なもの」
「醜悪な人間とは?」
と色々な事を考えさせてくれました。

K・Kazのこの映画の評価4

(本ブログでの、レーティング評価の定義)

☆☆☆☆☆(星5) 93点~100点
☆☆☆☆★(星4,5) 92点
☆☆☆☆(星4) 83点~91点
☆☆☆(星3) 69点~82点)

 

 

 

監督/パオロ・ヴィルズィ
出演者/ヴァレリア・ブルーニ・テデス
ヴァレリア・ゴリノ
日本での公開/2016年10月

 

 

writer/K・Kaz

 

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