『寄生獣(作者/岩明均)』コミック・レビュー


寄生獣リバーシ(1) (アフタヌーンKC)

 

writer/にゃんく

 

STORY

 冒頭、タンポポの綿のように空を浮遊してきた寄生生物が、人間の脳に寄生し、その人間を乗っ取るシーンで幕をあけます。
 乗っ取られた人間(寄生獣となります)は、頭や腕などを自由に伸縮したり、武器の形に変形させることができ、食料として正常な人間を食べることにより、養分を得て活動をします。
 高校生・泉新一は、たまたまヘッドホンで音楽を聴いていたために、浮遊してきた寄生生物が耳の穴から侵入することができず、右の掌から侵入しますが、それに気づいた新一が、服の裾で腕を絞り、寄生生物の脳への進行を食い止めたため、寄生生物が脳へ寄生することができず、代わりに特殊な形態として、右腕に寄生生物が寄生することになります。

新一は、脳を乗っ取られなかったため、通常の「寄生獣」のように、人間を食用としなくてすみますが、右腕は寄生生物の意志で、自由に伸縮したり武器の形に変化するようになります。(つまり、脳を乗っ取られなかった代わりに、右腕を乗っ取られた。)

 また、脳を乗っ取られなかったために、「寄生獣」とも違う、また人間とも違う、中途半端な存在となってしまったがために、人間たちからは孤立し、寄生獣からは敵と定められ、命をねらわれるがゆえに、孤独に戦っていかなければならなくなります。

 

あちこちで、寄生生物たちによる、人間殺しの事件が相次ぎ、新一は何人かの寄生獣たちとの戦闘行為におちいり、命の危険にさらされます。
 はじめは単独行動をしていた寄生生物たちも、知能が向上していくにつれ、集団行動を取るようになり、新一は愛する同級生・村野 里美(むらの さとみ)を守るため、より強敵化・複数化した寄生生物たちと戦っていくことになります。

 

 


REVIEW

 

 新一が、右腕に寄生したミギーに奇妙な友情を感じはじめ(右腕に寄生したから「ミギー」と呼ばれます)、いわゆるミギーとこころの交流をかわしながら、さまざまな困難を乗り越え、「人間とは何か?」を考えさせてくれる作品。愛する人を守ることの大切さを肌身に感じながら、主人公たちが成長していく物語となっています。 文芸評論家の加藤典洋が、「文学を含め、戦後のベストテンに入る」と評価したSFコミックです。手に汗にぎる物語展開がおもしろく読めるだけでなく、思想的なふかみのある作品です。

 2014年に実写映画『寄生獣』として第1部が公開され、2015年に第2部『寄生獣 完結編』が公開されました。

 ただ「怖い」とか、ただ「気持ち悪い」だけの絵ではない、どことなくユーモラスな寄生生物たちの姿がおもしろいです。

 ミギーも変化し成長し、主人公も成長します。漫画好きだけでなく、すべての人におすすめしたいコミックです。

 

にゃんくのこの漫画の評価4.5

 


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レビュー作成者

 

にゃんく

にゃんころがりmagazine編集長。X JAPANのファン。カレーも大好き。

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