『香港国際警察 NEW POLICE STORY』映画レビュー~「香港、壊滅――」

writer/K・Kaz

 

 

 

 

 今回は、ジャッキー・チェン主演の香港映画『香港国際警察 NEW POLICE STORY』をご紹介したいと思います。(一部ネタバレあり)

 

 

STORY

 

 

 香港では、ある強盗団が巷を騒がしていました。彼らは銀行強盗を働いた後、あえて警察に通報させます。そして、駆けつけた警官隊を凄まじい集中砲火で返り討ちにして面白がっているのでした。奇抜すぎる犯行に、警察も手を焼くばかりでした。

 そしてついに、香港警察特捜班のエリートであるチャン警部が、捜査の指揮をとることになります。さっそく、手掛かりをもとに、強盗団のアジトを割りだします。

 部下を率いてアジトへと向かったチャン警部でしたが、犯人たちの巧妙な罠に陥ってしまい、部下はゲームのように次々と殺されていきます。

 しかも、殺された部下のうち、一人は結婚を約束した恋人の弟でした。事件後、チャンは停職処分となりました。犯人たちにプライドを打ち砕かれ、部下も救えなかったショックから、酒に溺れる日々が続きます。

 

 

  一年後、どん底まで落ちて酒浸りのチャン警部の前に、「シウホン」と名乗る新しい相棒が現れます。若くひた向きなシウホンによって、チャンは少しずつ立ち直ってゆきます。

 徐々に捜査を進めるうち、強盗団のメンバーはそれぞれ政界・財界・法曹界のトップの子供たちだと分かります。
 彼らは、自分たちの享楽のためだけにゲーム感覚で犯罪を繰りかえしていたのです。そして警察部長の息子・ジョーこそが強盗団のリーダーだと判明するのでした。

 

REVIEW

 

 ジャッキー・チェン主演のアクション映画です。

 これまでの終始あかるくテンポの良いジャッキー映画とは、雰囲気が違います。

 最初は酒におぼれた姿が映しだされ、暗い感じから入ります。

 しかし、突然に現れた若い相棒・シウホンにうながされ、しぶしぶ強盗犯の捜査をはじめます。

  チャン警部にとって、事件の捜査は忘れたい過去と対峙することでもありました。彼を見る昔の仲間の眼は冷たく、不信感が込められています。

 部下を死なせてしまった後悔にも苛まれます。それでも、シウホンはチャン警部を、
「僕のヒーロー」
 と慕って支えてくれました。

 そして徐々に、チャン警部は勘を取りもどし、強盗団を追いつめてゆきます。

 

 

 どん底まで落ちたシリアスな導入部分から、過去の汚名を返上して自信を取りもどしてゆく展開が、ストーリーを深く面白いものにしています。

 

  チャン警部を演じるジャッキー・チェンは、世界的に有名なアクションスターです。

 大御所のジャッキーの脇を固めるのは、相棒役にニコラス・ツェー。強盗団のリーダーにダニエル・ウー、など若手の俳優たちです。

 もちろん、ジャッキーのカンフーアクションは健在です。

 それに加えて、演技力が必要な場面、アクションで魅せる場面が、ちゃんと若手にも用意されていました。そこに、次世代の映画界を担う若手たちにバトンを渡したいというジャッキーの想いを感じました。

 ちなみにジャッキー・チェン主演の「ポリス・ストーリー」は以前にも3つ作られていますが本作のストーリーとは関係ないそうです。

 

 

 この作品の評価は星4としたいと思います。

 ひさびさに見ごたえのある香港映画で、「これぞジャッキー・チェン作品!」と思えました。

 

K・Kazのこの映画の評価4

 

 

監督/ベニー・チャン
製作国/香港、中国
公開/2004年
上映時間/124分
出演/ ジャッキー・チェン
ニコラス・ツェー
ダニエル・ウー

 

 

 

 

writer/K・Kaz

 


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