『SCOOP!』(監督/大根仁)CINEMA REVIEW~「ごめん。馬鹿で悪かったな。」

 

writer/K・Kaz

 

 

STORY

都城静(みやこのじょう しずか)は、かつて、数々の伝説的スクープをモノにしてきた凄腕カメラマン。

しかし、過去のある出来事をきっかけに、報道写真への情熱を失い、今では芸能スキャンダル専門の中年パパラッチとして、腐れ縁のチャラ源とつるみながら、借金や酒にまみれた自堕落な生活を送っています。


ある日、行川野火(なめかわ のび)が、写真週刊誌「SCOOP!」に、新人記者として配属されてきて、静は、野火とコンビを組まされる羽目になってしまいます。
元々、ファッション誌の編集者志望だった野火とは、全く意見が合わずケンカばかり。しかし、犯罪スレスレのパパラッチテクニックを駆使してスクープ写真を連発する内に、二人は次第に名コンビ振りを発揮するようになり、数々の独占スクープを連発していきます。
雑誌の部数も飛躍的に伸びることに。


折しも、日本中が注目する連続殺人事件の犯人が、現場検証の為に拘置所から出されるという情報が入ってきます。

日本中を震撼させた、連続殺人犯の今の姿をスクープするため、二人は作戦を練りますが……

 

 

REVIEW(一部ネタバレあり)

 

 

主演の福山雅治さんは、私生活でもカメラの腕はプロ並みで、カッコよさの代名詞のような人です。

この映画では福山さんは、180度イメージが違う、女にも金にもだらしなく、芸能人のスキャンダル写真を撮る為なら、犯罪ギリギリの危ない手段を使う事も辞さない、ダーティで欠点だらけのダメ男を演じています。


段々と話が進むうち、静は単なるダラけた人物ではなく、昔は戦場カメラマンに憧れていて、それがきっかけでカメラマンになったという過去が明かされます。


しかし、夢と現実のギャップに打ちひしがれて、凄腕パパラッチと言われながらも何時の間にかくたびれたオジサンになっていました。


そんな時、新人の野火と組んで仕事をするようになります。


薄汚くて小ずるい静の言動に野火も最初はあきれているのですが、段々とスクープを追う仕事の面白みに目覚めてゆき、静自身にも惹かれてゆきます。

こんな汚い役を演じても、女性を魅了してしまう色気を持った役は福山さんにしかできないだろうなと思いました。


スクープを狙う魅力に、野火が目覚めてゆくのと同時に、静も野火の初々しさのおかげで、忘れていた昔の自分を思い出していくように感じました。

そして、静役の福山雅治さんと野火役の二階堂ふみさんが役柄そのままにお互いを高めあって、世間からどれだけ嫌われようともスクープを追い求める魅力的な人物を作り出している所も、この映画の見どころの一つではないかと思いました。


☆☆☆★(星3,5)
K・Kazのこの映画の評価↑

 


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『SCOOP!』は2016年10月1日公開。日本映画。
主演/福山雅治

 


本記事執筆者/K・Kaz

 

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