小説レビュー『なんとなく、クリスタル』田中康夫


新装版 なんとなく、クリスタル (河出文庫)

 

 

 1980年、第17回文藝賞受賞作品です。

 

 

 ワン・アイデアの作品に近いかもしれないけれど、サッカーに喩えて言えば、そのワン・アイデアをうまいことコントロールしてゴールを決めたって感じですかね。

 

 ブランド物っていうと、プラスのイメージとマイナスのイメージがありますよね。

 

 

「いい品物」という意味でのプラスのイメージと、マイナスのイメージとしては、盲目的に高価なブランドものばかり身に付けて自分が違う人物になったと錯覚しているような人がいて、そういう人は、「あいつは何もわかってない」って思われたりしますよね。

 

 

 この作品に登場する女の主人公も、マイナスのイメージに近いのかな。

 

 ただ、単なる馬鹿かと言うと、そうでもなくて、いろんな人と場当たり的にセックスして、考えていることはふわふわしている時もあるけど、時々はするどいところを突いていたりする。

 

 

 田中氏は直感でこの作品を書いたのかもしれないけれど、自由に生きる女子大生の生活を描いて、(作品の随所にブランドを散りばめ、膨大な注をつけた)ことがこの主人公に対する批評にもなっていて、そのことがこの作品を意味のあるものにしているのかもしれないですね。

 

 

執筆者紹介

にゃんく

にゃんころがりmagazine編集長。
X JAPANのファン。カレーも大好き。

 

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