意外な展開が続くので読んでいて面白いです。
〈あらすじ〉
学生運動の盛んだった頃の話。
大学で友人のいない「僕」。
行きがかりで学生運動の団体に入ってしまう。
しばらくすると、僕が好意を寄せる団体幹部の先輩の女性がアパートに転がり込んできて、僕は彼女を抱く。
団体の中にもいくつか派閥があり、「僕」は勧誘を受けるがままに派閥の間を渡り歩く。
それにつれて、彼女との間も疎遠になったりする。
夜の町をうろつき、見ず知らずの男に声をかけられ、一緒に飲みに行ったりする。が、最後には殴られ、食い逃げされたりする。
主体性のない僕だが、そんな僕のもとに彼女が戻ってくる。
*
そんな感じの話。
この作品で、村上龍の次に芥川賞をもらっています。あの村上龍のあとに同じ賞を貰うのは、けっこう難しいことなんじゃないかなぁと思います。
「いちご同盟」もなかなか良かったと思うのですが、誰にでも分かる言葉で綴ったいちご同盟とは違い、この作品では難しい言葉もちらほら散見されます。
とはいえ、ストーリー性のある物語で、読者を引っ張っていきます。
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