小説レビュー『僕って何』三田誠広


僕って何 (1977年)

 

 

意外な展開が続くので読んでいて面白いです。

 

〈あらすじ〉

 

学生運動の盛んだった頃の話。

大学で友人のいない「僕」。

行きがかりで学生運動の団体に入ってしまう。


しばらくすると、僕が好意を寄せる団体幹部の先輩の女性がアパートに転がり込んできて、僕は彼女を抱く。

団体の中にもいくつか派閥があり、「僕」は勧誘を受けるがままに派閥の間を渡り歩く。


それにつれて、彼女との間も疎遠になったりする。

 

夜の町をうろつき、見ず知らずの男に声をかけられ、一緒に飲みに行ったりする。が、最後には殴られ、食い逃げされたりする。

 

主体性のない僕だが、そんな僕のもとに彼女が戻ってくる。

 




そんな感じの話。

この作品で、村上龍の次に芥川賞をもらっています。あの村上龍のあとに同じ賞を貰うのは、けっこう難しいことなんじゃないかなぁと思います。

「いちご同盟」もなかなか良かったと思うのですが、誰にでも分かる言葉で綴ったいちご同盟とは違い、この作品では難しい言葉もちらほら散見されます。


とはいえ、ストーリー性のある物語で、読者を引っ張っていきます。

 

 


僕って何 (1977年)

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