小説レビュー『天の夕顔』中河与一


天の夕顔 (新潮文庫)

 

 

純愛。

 

つまり、プラトニックラブ。

 

男は、妻子ある女を好きになった。

 

男は、自分にも家族があるが、何もかも打ち捨てて、彼女を愛したい。

 

でもそうすることは、彼女の身の破滅を招くことになる。

 

だから、会いたいが、自分の気持ちを抑えて、何十年も会わないで我慢する。

 

妻とも離婚し、山の中にこもって、自分の苦しい心を紛らわせようとしたりする。

 

しかし、どうにも我慢ができなくなって、彼女の家を探し当て、会いに行く。

 

彼女も、ずっと会いたかったのに男に会えなかった。でも、もう老女になろうとする自分に会いにきてくれた男を見て、感動している。

 

彼女は、「五年後に会いに来てほしい」、と男に言う。その頃には、自分はあなたと一緒になれると思うから、と言う。

 

五年という時間は、夫との関係を精算するのに必要な時間なのだろうと男は思った。

 

男は喜んで、山の中に戻り、五年という歳月を待つ。

 

男にとって、五年の長さは苦にならなかった。なぜなら、やっと彼女と一緒になれるから。そう考えると、五年の歳月など、苦にはならなかった。

 

約束の日に男は女に会いに行く。しかし、男は女からの手紙が来ていることに気づく。その内容は・・・。

 

 

確かに、今じゃ、こんな恋愛、皆無に近いくらい珍しいかも知れません。

 

だからこそ、肉体的な誘惑じゃなくて、相手のことを慕い続ける二人が可哀相でもあり、いじらしくもあります。

そんなに長くない作品なので、一気に読めると思います。

 

皆さんは、こんな恋愛、どうですか?

 

 

 


天の夕顔 (新潮文庫)

 

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