小説レビュー『白い人』遠藤周作


白い人・黄色い人 (講談社文芸文庫)

 

writer/にゃんく

 

芥川賞受賞作です。

舞台は、ナチスの秘密警察が暗躍するフランスです。
主人公の男は、斜視という肉体的な欠陥を抱えていて、幼年時代の体験から、サディズムの欲望に目覚めつつあります。
そして、折しも新聞広告で募集されていたナチの通訳の仕事に採用され、学生時代の同級生と従妹(いとこ)に拷問を加え復讐します。

 

のちの作品、『海と毒薬』で展開されるような主題(信仰についてなど)がここでも描かれていますが、スリリングさはあるものの、それほどストーリーが噛み合って来ないような印象があり、読者として、分かりづらい小説となっている気がします。

私の理解が浅いのかもしれませんが、…。

 

 

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