『奇跡』映画レビュー~「僕らの願いが、奇跡をおこす!」

 

writer/K・Kaz

 

今回は、邦画『奇跡』のレビューをおとどけします。
2013年イギリスで公開され、『ガーディアン』誌が選ぶ2013年の映画ベストテンで、9位に選出された作品です。

 

まずは映画『奇跡』の、ストーリーからご紹介します。

 

STORY

大阪に住んでいる航一、龍之介兄弟は、両親が離婚します。

航一は母親と鹿児島へ、龍之介は父親と福岡に移り住むことになってしまいます。

航一は、鹿児島の生活に不満があり、両親や弟と再び暮らせることを願っています。

龍之介は新しい生活にもなじみ、すこしだらしない父親の面倒を見ながら毎日を過ごしています。

頻繁に連絡を取り合っている兄弟ですが、航一は、弟が段々と大阪に帰ることを忘れはじめているように思えて不満を覚えています。

そんな時、航一は、
「博多から南下する”つばめ”と、鹿児島から北上する”さくら”、二つの新幹線の一番列車がすれ違う瞬間に、奇跡が起きて、願いが叶う」

という噂を聞きつけ、再び家族一緒に暮らすため、弟やクラスメイトたちと新幹線がすれ違う場所を目指して旅に出るのでした。……

 

REVIEW

 

少年漫才コンビ「まえだまえだ」こと前田航基 前田旺志郎の二人が主演に抜擢された作品です。
責任感が強い兄と、要領がよくて人懐っこい弟。そして彼らを取り巻く友達。それぞれが何か成し遂げたいことや変えたいことがあり、新幹線がすれ違う時のエネルギーに夢をかけます。

子供たちの周りにいる大人は、少しくすんでいたり、自身でも何かに必死で手一杯になっていたります。しかし、子供たちのその純粋な心意気に感化されるように子供達をそっとサポートするようになっていきます。もしかしたら、自分も子供のころに感じていた悩みを持つことのつらさや悔しさ、不安だった気持ちを思い出して手を貸さずに入られなかったのかもしれません。

 

子供達にとっては願いが叶うことが「奇跡」。

しかし、よく見てみると目的地に向かって旅をしていること自体も「奇跡」と分かります。

大人となった今では悩みを持つことに慣れてしまったけれど、両肩にのしかかるものや自分を取り巻く世界を何とかしたいと真剣に考えていた子供時代を思い出しました。

 

本作品の評価は星4つとさせていただきます。時々ませたことを言いながらも、純真でひたむきな子供たちの姿に心洗われる良い作品ですよ。

 

 

K・Kazのこの映画の評価4

 

 

監督/是枝裕和
製作国/日本
公開/2011年6月11日
出演者/前田航基
前田旺志郎
オダギリジョー
橋本環奈

 

 

 

 

 

 

執筆者紹介

 

writer/K・Kaz

石川県在住の男性です。
週末には、映画を5~7本ペースで観ていらっしゃるそうです。
にゃんくがリクエストした映画は、ほぼ全部ご覧になっていらっしゃるという、すごい方です。
淀川長治さんが生きていれば、互角以上の戦いができるのは、きっとK・Kazさんだけでしょう。

 


奇跡

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