STORY
アンデルセンの「マッチ売りの少女」のアイデアをベースにしたマンガです。
「マッチ売りの少女」では、マッチの火が点いているあいだに、飢餓をみたしてくれる食べ物の幻影や、幸せだった思い出を追体験できましたが、『燐寸少女』では、マッチの火がついている間に、「こうなってほしいという妄想」を言葉にすると、それが現実になります。マッチの火が消えても、現実になった妄想の効果は持続している、という点が、アンデルセンの童話との違いです。
実写映画化(AKBのメンバーが出演)もされている漫画です。
1巻は、ショートストーリーの、「妄想と願望」、「至高の本質」、「心の裏」、「東京タワー」、「妄想の休日」、「本当の願い」の6話が収録された、連作長編漫画です。
「心の裏」では、自分が美術高校で絵がいちばん上手だと思っている岸田裕子が主人公です。
展覧会が近く催される時期がやってくると、絵がいちばん上手いと考えている岸田裕子のプライドが刺激されます。
そこへ燐寸少女の店主リンが登場します。岸田は、火がついている間に思ったこと、つまり妄想が具現化する、魔法の妄想マッチをリンからもらいます。
展覧会の日が近づいてくると、生徒のひとりである高橋由香は、作品を完成させますが、その絵は提出前に、いつも誰かに破かれてしまいます。
岸田は、リンからもらった妄想マッチで、生徒のこころを覗き見て、高橋の犯人を探しますが、意外な事実が判明し……。
にゃん子さんの感想
絵がかわいい絵で、不気味さをやわらげている感じがあって、ストーリー自体はエグいところもあるけれど、そこをうまく中和しています。
(この話を怖い絵柄で描かれたら、「ウッ」ってなりそう。。。)
1巻のなかでは、「妄想と願望」、「東京タワー」、「本当の願い」が好きでした。
AKBが好きな人は、総選挙のことを、うまく題材にしているので、「本当の願い」は読んでほしいと思いました。読んでナルホドと気づかされました。
ロウソク売りのチムもカワイイですし、燐寸少女の店主リンちゃんも、また違ったカワイさがあります。
↑にゃん子さんの評価
(1巻しかまだ読んでいませんが、
続きは買いたいと思いました。)
にゃんくの感想
ストーリーにひねりがあり、おもしろいです。よくできていると思います。
アンデルセンの童話から着想を得て、作品を作っています。でも、こういう、巨匠の作品を、換骨奪胎して、また新たなニュアンスを付与した作品を作るやり方も、アリだと思います。
1巻では、「心の裏」、「東京タワー」が特に好きでした。
にゃんくの評価(星4,5)
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