小説レビュー『DAY LABOUR』松﨑美保

 第88回文学界新人賞受賞作です。

(あらすじ)《ネタバレあり》

 一風変わった風俗の仕事に申し込んだ明日香。それは性行為の介添えのようなことを行う仕事。しかし、申し込みはしたが、仕事の依頼はなかなか来ない。

 明日香は老人ホームで姑や濱次という老人の世話をしている。

 明日香は由紀という娘がいるが、どうやら由紀がいかがわしい仕事をして収入を得ているらしいという話が明日香の耳に入る。

 しばらくして、風俗の仕事の依頼が明日香の元に舞い込んでくる。

 明日香は下半身不随の男性の背中を押したり引いたりして、性行為が正常に行えるよう手伝う。身障者の相手方の女性の陰毛はきれいに剃られていて、恥骨のふくらみが幼女のようだと明日香は思う。

 日が経ち、老人ホームに行くと、明日香の居場所がなくなっている。明日香が濱次という老人にしていた行為を目撃していた人が複数いたとソーシャルワーカーの土屋は言うのだ。明日香は土屋から、他の老人の世話はしないでくれと言われる。

 後日、濱次が部屋で自殺したことが土屋から電話で知らされ、明日香は土屋から、「おふたりのあいだには、特別なものがあったんじゃないですか、私はまったく筋違いの不要な介入をしてしまったんじゃないですか?」と言われるが、明日香は「それは違います、最初にあなたが考えておられたとおりで正しいです」と答える。

 由紀が明日香の元にやって来て、一緒にお風呂に入った時、由紀の陰部がきれいに剃られていて、恥骨のふくらみが幼女のようであったので、明日香は由紀をこづいて、自分のしていることがちゃんとわかっているの、隠しおおせると思っているの」と言って彼女に詰め寄る。

 こういう映画、なんか見たことあるなあ。コーエン兄弟? だったかな。なんだか雰囲気がね、似てるような気がしました。妖しい感じの作品。

 完成度は高い(ように)思う。

 

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