『インセプション』映画レビュー~『ダークナイト』のノーラン監督作品「俺たちが作った夢の中へ」


インセプション【Blu-ray】 [ レオナルド・ディカプリオ ]

今回は、洋画「インセプション」をご紹介したいと思います。

writer/K・Kaz

STORY

ドム・コブは、人が一番無防備になる状態「夢」を他人と共有し、ターゲットの潜在意識の奥までもぐりこみ、他人のアイデアを盗みだすという、危険極まりない犯罪分野において、最高の技術を持つスペシャリストです。
コブは、この業界でトップレベルです。失敗すれば命すら狙われる、法など関係ない企業スパイの世界において、コブは引っ張りだこです。
しかし、彼は過去の事件のために国際指名手配犯となっています。コブは、故国に足を踏み入れることも、愛する家族に会うこともできない状態です。

ある日、コブに、絶好のチャンスが訪れます。
巨大企業のトップ、サイトウが仕事と引き換えに過去の犯罪歴を全て消すことを約束してくれたのです。
しかし、その依頼は、ターゲットに特定の思想やアイデアを植え付ける、「インセプション」と呼ばれるものでした。
それはアイデアを盗むのとは逆で、他人の潜在意識に入り込み、ある考えを“植えつける”という最高難度、究極のミッションで、それこそ真の完全犯罪となりうるものです。
サイトウが示したターゲットは、ライバル企業の次期CEO・ロバート。
父親の死によって、企業を受け継いだばかりの彼の頭の中に、
「受け継いだ会社を解体する」
という考えを植え付けるのが、今回の任務です。
相棒のアーサーは、危険すぎると反対します。
しかし、コブは引き受けることを決めます。

そして、世界中からその道のスペシャリストたちが集められます。
ターゲットを誘い込む世界を作る設計士・アリアドネ。
変装してターゲットに近づき、情報を引き出す偽造師・イームス。
夢を見続けるための鎮静剤を作る調合師・ユスフ。
彼らと共に、コブとアーサーは、ロバートを夢の世界に誘い込みます。
しかし、そこでは予測していなかった展開が待ち受けています。
彼らの動きを全て先読みする手強い敵、謎の美女・モルが待ち構えていたのです。

REVIEW

夢の世界が舞台の話は他にもありますが、
「アイデアを盗む」
「ターゲットを誘導してアイデアを植え付ける」
と言う要素が加わると、展開が断然スリリングになります。
何でもありの夢の世界では、登場人物の死ですら終わりではありません。
今が夢の世界なのか、現実にいるのか観客ですら分からなくなってしまします。
夢の中に入りこむということは、意識を共有しているということなので、知らず知らずのうちに侵入した者の意識も混ざってきてしまいます。
感情が、思い入れの強い人物や思い出の光景となって表れるのです。
そんな幻想的でロマンチックな面があるかと思えば、アイデアを盗んだり、人の意識を操ったりするというゲームの世界のようなドライな面もあります。
登場人物が、ゲームのキャラクターで同時にゲームの世界を創るクリエータでもあるような独特の世界観は全く斬新で、世界がクルクル変わったり、全く違う世界が連動していたりする展開に、ドキドキしっぱなしでした。
とくに、コブにとって、今回の任務は、自分の過去、そしてその象徴である美女「モル」と対峙するときでもありました。
そんな幻想的なシーンと、銃撃戦やカーチェイスなどのアクションシーンがほどよくブレンドされ、他には例を見ないほどにエキサイティングで、観客の心の中に強烈な印象を残す作品です。

本作品の評価は星4つとさせて頂きます。

K・Kazのこの映画の評価4

(本サイトでの、レーティング評価の定義)
☆☆☆☆☆(星5)93点~100点
☆☆☆☆★(星4.5)92点
☆☆☆☆(星4)83点~91点
☆☆☆★(星3.5)80点~82点
☆☆☆(星3)69点~79点

 

「夢」という身近で、無限の広がりを持つ世界を舞台に、こんな奇想天外な話が作れてしまうんだと驚かされました。

余談ですが、この作品の中でフランスの偉大な歌手・エデット=ピアフが歌う「水に流して』
(Non,je ne regrette rien)が使われています。皆が目覚める為の合図という重要な役割があるこの曲ですが、モル役のマリオン・コティヤールが「エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜」でエデット=ピアフを演じてアカデミー主演女優賞を受賞していることを考えると、「監督のイタズラ心かな」と思わずニヤリとせずにはいられません。

 

作品情報
『インセプション』
監督/クリストファー・ノーラン
出演者/レオナルド・ディカプリオ
渡辺謙
ジョゼフ・ゴードン=レヴィット
マリオン・コティヤール
エレン・ペイジ
トム・ハーディ
キリアン・マーフィー
トム・ベレンジャー
マイケル・ケイン

上映時間/148分
製作国/アメリカ、イギリス
公開/2010年

 

 


インセプション

『インセプション』映画レビュー~『ダークナイト』のノーラン監督作品「俺たちが作った夢の中へ」」への2件のフィードバック

  1. タイトルは聞いたことがあったけれど、どんな映画なのかな?と気になっていたのでじっくりあらすじ&レビューを読んでしまいました。他のサイト様よりもずっとずっと詳しく書いてあってとってもわかりやすかったです(*^-^*)さっそくみてみたくなりました☆

    1. 返信が遅れて申し訳ありません。

      コメントを書いていただきありがとうございました。
      自分の好きな映画に興味を持って頂けて、とても嬉しいです。
      これからも頑張ってレビューを書きますので、もし良かったら、また読んで楽しんでください。

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