『ジャンプ』CINEMA REVIEW


ジャンプ [DVD]

 

 

writer/K・Kaz

 

 今回は邦画「ジャンプ」を紹介したいと思います。(一部ネタバレあり)

 

STORY

 

 会社員の三谷とみはるは、付き合って半年の恋人同士です。

 ある日、三谷は、朝早くから出張に出るため、みはるの家に泊まります。

「明日の朝食べるリンゴを買って来る。すぐ戻るわ」

 そう言い残してコンビニに行ったみはるは朝になっても戻って来ませんでした。
 三谷は、不審に思いながらも出張に行きます。しかし、戻って来てもみはるの消息は不明でした。
 さすがに焦った三谷は、僅かな手がかりを頼りに彼女の行方を捜しはじめます。やがて彼は、幾つもの偶然が重なって、彼女が静岡へ向かったことを突き止めます。しかし、その後の足取りは杳として掴めず、知らぬ間に部屋も引き払われてしまっていました。

 何故、彼女は失踪したのか?何故、自分は一番大切な人の心の変化に気づかなかったのか?

 失意のまま、半年の時が流れ、三谷はみはるの生き別れた父・江ノ旗耕一が福岡の能古島にいることを知り、彼を訪ねるのでした。

 

 

REVIEW

 

 三谷も、まさかこの時にみはるがいなくなるとは思ってもいませんでした。しかし、連絡もなく姿を消し、会社もいつの間にか辞めてしまいます。

「生きているなら、なぜ連絡してくれないんだろう?」

 三谷は彼女の足取りを追いますが、なかなか見つからず心にポッカリと穴が開いてしまいます。それでも三谷自身の生活は続いてゆきます。みはるのことが気になって仕方がない三谷は、仕事にも身が入らなくなってしまいます。

 みはるの姉に、
「あなたがすぐにみはるのことを探していたら、こんなことにならなかったんじゃないの?」

と問い詰められても何も言い返せず。少し情けないけれど、身近な感じで共感も出来ました。

 特に心に残ったのは、みはるの消息を知るために訪ねてきた三谷に、彼女の父・耕一は、ほしい靴を買うために恋人からお金を借りたせいで別れてしまった昔話をして、
「これは靴の話だ」
 と呟くシーンでした。

 大人になって驚いたことの一つは「人は突然いなくなる」ということです。
 同じ会社にいた人が、さまざまな理由で辞めて行ったり、毎日のように会っていた友人といつの間にか疎遠になってしまったり、家族と離れて暮らしたり死別することもあります。
 事前に分かっていて、さよならを言える時もあります。しかし、偶然が重なって本当に突然フッといなくなってしまう時もあります。
 時々、突然いなくなってしまった人のことを思い出して心はザワザワする時、
「これは靴の話だ」
 と言うセリフを思い出してしまいます。

 本作品の評価は星3.5とさせていただきます。

 

K・Kazのこの映画の評価3.5

(本サイトでの、レーティング評価の定義)
☆☆☆☆☆(星5)93点~100点
☆☆☆☆★(星4.5)92点
☆☆☆☆(星4)83点~91点
☆☆☆★(星3.5)80点~82点
☆☆☆(星3)69点~79点

 

 

 人生のどこかで突然の別れを経験し、あの時が分岐点だったと後になって分かり、
「仮にこうしていれば、今がもう少し違っていたかもしれないな」
 と考え、切なさを噛み締めた事のある人に一度は見てほしい作品です。

 

 

監督/竹下昌男
原作/佐藤正午「ジャンプ」
製作国/日本
公開/2003年
上映時間/115分
キャスト/原田泰造 
牧瀬里穂
笛木優子

 

 

 

↓「like」ボタンのクリックお願いしますm(_ _)m

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です