『君の名は。』CINEMA REVIEW~「まるで夢の景色のように、美しい眺めだった。」

 

writer/K・Kaz

 

 

STORY(ネタバレあり)

 

1200年に一度の彗星接近が日本中の話題となっています。
山深い田舎町に暮らす、女子高生・三葉(みつは)は、祖母や妹と共に、家業である神社の神事を手伝いながら、小さい頃からずっと顔なじみの人達に囲まれて、東京での生活にあこがれながら、代わり映えのしない憂鬱な毎日を過ごしています。
そんな時、三葉は、夢の中で、東京に住む男子高校生になり、思う存分、思い描いていた通りの生活を満喫します。

同じ頃、東京で暮らす男子高校生、瀧(たき)も、行ったこともない山奥の町で、自分が女子高校生になっているという奇妙な夢をみます。
一日だけかと思っていた奇妙な夢は、その後も繰り返され、その間の記憶が抜け落ちています。

周囲の人間から、おかしな行動を指摘される事が続き、
「自分たち、入れ替わってる?」
と二人は気付きます。
そして、二人は戸惑いながらも、入れ替わった時の一日を、携帯にメモして残したり、入れ替わったときのルールを決めたりして、お互いの生活を楽しむようになってゆきます。
しかし、入れ替りは突然、終わってしまいます。
そして、瀧はその時になって、初めて三葉が心に深く入り込んでいることに気付きます。その後、瀧は、三葉を探し出して直接会ってみようとします。
入れ替った時に見た風景のスケッチを手掛かりに、探し回った結果、ついに光葉の住む「糸守村」を探し当てます。
けれど、瀧がたどり着いたとき、そこには思いもしなかった光景―地球に接近した彗星の破片が隕石となって落ち、消し飛んだ村の光景―が広がっていたのです・・・。

 

REVIEW

 

主人公の二人は、ごく普通の高校生です。
互いに入れ替る事で、三葉は憧れの東京生活を経験でき、瀧は密かに想いを寄せていたバイト先の先輩と仲良くなる事が出来ます。
しかし、瀧が糸守村の事を知った時、入れ替りの本当の意味や、それまで入れ替りで見聞きしたことの隠された意味が明らかになりはじめ、雰囲気はガラリと変わり始めます。

この作品には様々な「繋がり」が出てきます。
ずっと昔からの言い伝えや風習、周囲の友達との関係、三葉と瀧の特別な繋がり。
無関係に思われたことが、全て合わさって意味を持ち始めるのです。
そのストーリー展開に、思わず引き込まれてしまいました。
そして、作品の映像美と曲が、更に雰囲気を盛り上げてくれます。
風景写真のような、失いたくないと思ってしまう美しい風景、村を破壊するはずの隕石すら、思わず見入ってしまうほど奇麗でした。
 この作品は、どうしても東日本大震災や、最近続いている自然災害の被害を連想してしまいます。日本人の多くが最近の悲惨な大雨や地震の被害をニュースなどで知る度、理不尽な悲しみや苦しみから、人々を救いたい、何とかする力が欲しいという気持ちが心に生まれた筈です。「君の名は。」はそんな願いから生まれた作品のように思えてなりません。

 

 

K・Kazのこの映画の評価4.5

(本ブログでの、レーティング評価の定義)

☆☆☆☆☆(星5) 93点~100点
☆☆☆☆★(星4.5) 92点
☆☆☆☆(星4) 83点~91点
☆☆☆★(星3.5)80点~82点
☆☆☆(星3) 69点~79

『君の名は。』
2016年8月26日公開
監督: 新海 誠
音楽: RADWIMPS


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