『きみの知らないところで世界は動く』小説レビュー


きみの知らないところで世界は動く【電子書籍】[ 片山恭一 ]

 

 

writer/にゃんく

 

『世界の中心で、愛をさけぶ』の片山恭一さんが作者です。

 

アマゾンの販売ページ『きみの知らないところで世界は動く』(小学館文庫)の商品の説明には、こう書いてあります。

 

『片山恭一の原点となる、幻のデビュー作!
321万部を突破した大ベストセラー「世界の中心で、愛をさけぶ」で社会現象を起こした片山恭一の幻のデビュー作が、ついに文庫化! ぼく、恋人のカヲル、友人のジーコが交錯する、愛と死の物語。かつて誰にでもあった、少年少女最後の時代を過ごす3人の奇妙な恋愛模様を軸に綴られる、読むたびに胸の熱くなる70年代青春ストーリー。片山ワールドの原点が、ここにある。』

 

『内容(「BOOK」データベースより)
いたって普通の健全な高校生であるぼくと、恋人のカヲル、破天荒な言動ゆえに学校内の有名人である友人のジーコ。不思議な絆で結ばれた3人は70年代、青春の日々を謳歌していた。しかし、大学に入学した頃から、カヲルは心身に不調をきたし始める。カヲルとの結婚と確かな未来を望むぼくに対して、「普通」の生き方をするのが難しくなってしまった彼女は、徐々にバランスを崩していく。カヲルを愛するぼくは、彼女を救い、新たな関係を築こうとするが。ベストセラー「世界の中心で、愛をさけぶ」の片山恭一の原点となるデビュー作。』

 

この作品も、すごくオススメです。
大学生のとき、『世界の中心で、愛をさけぶ』を読んで感動したぼくが、片山さんの他の作品も読もうと思って、次に読んだ作品が、『きみの知らないところで世界は動く』です。

 

 作中、冒頭で、日本文学の古典の授業で、鬼が女を食ってしまうという話が出てきます。
 昔、男女が駆け落ちをします。親が結婚に反対をしているのですね。
 でも駆け落ちの最中に、逃げきれず、女が鬼に食われたのか、いなくなってしまいます。
 実は、鬼というのは、モンスターのことではなくて、女の親のことで、連れ戻されてしまったのです。

 

主人公は、その古典の物語を、現在の自分に重ね合わせます。
自分の彼女も、鬼に食われていなくなってしまったらどうしよう、と。
そのような不吉な予感を残しながら、物語は進みます。
鬼に食われるのではないかとハラハラしながら、最後まで読みました。

 

結局、鬼に食われるのかどうか分からないところで物語は終わります。

 

鬼に食われる可能性の方が大きいだろうと思う。だけれど、希望もある。
そこで終わっているところもセンスがあって良い、と思いました。

 

 

 


きみの知らないところで世界は動く【電子書籍】[ 片山恭一 ]

 

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