writer／K・Kaz
今回は洋画「リュミエール！」をご紹介します。
STORY
１８９５年１２月２８日パリ。
ルイ＆オーギュスト・リュミエールの兄弟が発明した撮影と、映写の機能を持つ「シネマトグラフ」で撮影された映画「工場の出口」など、１０本の作品が世界初となる有料映画上映会で上映されました。
それは１本の長さが約５０秒という短い時間で、工場から出てくる人々を映したものや、オーギュスト・リュミエールと妻と娘の食事風景、駅に入って来る蒸気機関車などありのままの風景を映したものがほとんどでした。
しかし、それぞれの作品で取り入れられた演出、移動撮影、トリック撮影といった撮影テクニックは、現在の映画の原点とも言われているそうです。
リュミエール兄弟は１８９５年から１９０５年の１０年間に１４２２本の短編作品を撮影しました。大部分は失われてしまいましたが、本作品では現在までに残ったフィルムから１０８本を選んで４Kデジタルによる修復を施し、一つの作品「リュミエール！」となりました。
REVIEW
１世紀以上前の作品で、出てくるのは素人やありのままの風景ばかりです。
音も入っていません。しかし、人物の生き生きとした表情や動き、蒸気機関車や汽船のダイナミックさ、映し出される風景の素朴な美しさは、今でも十分に見応えがあります。もうこの頃にリメイクやオマージュがあったことにも驚きました。
見どころの解説ナレーションも入っており、
「そうか～、だからこの映像は迫力があるんだな」
と、映像技術の勉強にもなりました。
当時、劇場のスクリーンで作品を見ていた観客の興奮まで伝わってくるようでした。
短くても印象的な作品の連続で、
「現代の映画は、これらの作品のリメイクであり模倣だったんだな」
と思える程に感動できました。
本作品の評価は星３.５とさせていただきます。時が経っても色あせない映画の源流を、こんな形で見ることが出来て幸運でした。
K・Kazのこの映画の評価３．５
（本サイトでの、レーティング評価の定義）
☆☆☆☆☆（星５）９３点～１００点
☆☆☆☆★（星４.５）９２点
☆☆☆☆（星４）８３点～９１点
☆☆☆★（星３.５）８０点～８２点
☆☆☆（星３）６９点～７９点
監督／ティエリー・フレモー
製作国／フランス
公開／2017年12月14日
上映時間／90分