writer/にゃんく
永守重信著『奇跡の人材育成法 どんな社員も一流にしてしまう』を読みました。
このところ、この著者の本を続けて何冊か読んでいます。
著者は日本電算の社長です。今でこそ、日本電算は日本のトップ企業の1つですが、著者が仲間3人と会社を立ちあげた当時は、半年ほど仕事がなかったそうです。貯めていた資金もすぐに底をつき・・・大変な苦労をされたようです。
まあそれでも、なんとか発注してくれる会社があらわれ、アメリカにわたって取引してくれる会社を探したところ、大量受注にむすびつき、しだいに経営を軌道に乗せることができるようになります。
取引が増えてくると、新卒者の採用も行なって行かなければなりません。
著者の考えた採用方法は、「大声試験」「早飯試験」「便所掃除試験」など、まさに度肝を抜くような試験でした。「早飯試験」では、早く飯を食べたものから順番に、合格にしていく。「大声試験」では、大きな声を出せる人間は仕事ができる、という独自の判断から、大きな声を出せる人を合格にしました。
受験者の中には、そのような型破りな試験方法に、怒り出す者もいたそうです。世間からは顰蹙の声も出ました。が、あえてユニークな採用試験を続けたのには、著者なりの考えがあったのです。
今も急成長を続ける日本電算。
どうやってそんなことを実現させているのでしょう?!
社員のやる気を引き出す社長の技がすごいです。
この本は、ぼくは図書館で借りたのですが、気に入って、ずっと手元に置いておきたいと思ったことから、紀伊国屋に行きましたが、紀伊国屋には在庫がないとのこと。ネットで中古を探して注文しました。
永守さんの本は、あと二冊読みました。似たような内容の話も多いので、どれか一冊でも読めばいいのかもしれませんが、創業してから10年目に書かれたこの本が、一番おもしろいかもしれません。
ご本人もこの本の序文で書かれているように、立派になってから書かれた社長の話などは、美辞麗句と成功談がもっぱらになってしまってつまらない、それに対し、創業してから10年目くらいまでの話の方が、おもしろいし、共感を覚える、と。
荒削りな言葉も多いですが、まさに本書は、そんな内容です。
永守さんの本は、偉くなってからでもおもしろいのですが、一番最初に書かれたのだろうこの本の中には、ホンネのようなことがたくさん書かれていて、これから経営をしようという人には特に大切なことが多く書かれていると思います。
特に印象に残ったのは、大企業に比べて、設備や人材など、何もかも劣っている(昔の日本電算)がどういう方策を行なったか。
今なら異論がでるかもしれない方法だけれど、弱小企業が大企業に勝っていくのは、まさにこの方法しかないだろう。まあ、ここで短く書くより、本を読んでもらった方が、より説得力があるでしょうから、ここには書きません。
また、人間の能力差は、せいぜい5倍程度。でも、意識の差は100倍ある。
だから、プロというウサギに勝つために、怠けるカメであってはならない、と。
ここには、いろんな事業に応用できる方法論が書かれていると思います。
自分自身、襟をただして読んだ本となりました。
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