『1000円カットに行くな!』み〜たん

1000円カットに行くな!

み〜たん

 

 

 突然なんですけど、どうしても今日髪を切りたい!みたいな衝動に駆られる日ありません?私はあるんですけど

 

 

 半年ぐらい前だったかな
 めっちゃ髪切りたくて、どうしても今日切りたくて、でもお金なくて、でもどうしても切りたくて、生まれて初めての1000円カットに行ったんですね

 

 

 安さが不安だったけど、当時の私はワンレンボブ(ちびまる子ちゃんみたいなボブ)だったので、直線に切ってもらえればまあなんとかなるだろと思ってた、とにかく髪を切りたかった

 

 これが地獄の始まりとなる

 

 それは自宅から徒歩10分ほどのところにある美容院だった
1000円カットの割にオシャレそうな外観だったのでなんかいけそうな気がした。こんなに安く髪を切られるのなら1000円カットも悪くないな、なんて少し浮かれていたかもしれない私は、迷うことなくドアを開けた

 

 

 目の前に8人程の美容師が背筋をピンと伸ばして一列に並び、全員同じ表情でにっこりと微笑んでいた

 

 軍隊?

 

 

 次の瞬間、「「「「いらっしゃいませぇ〜〜〜〜!!!!!!ませぇ………ませぇ………(←エコー)」」」」って8人から同時に90度のお辞儀と歓迎の挨拶をされた

 

 あ〜来るとこ間違えた
絶対だめなやつだこれ

 

 

 そう思ったけどもう後には引けなかった
あの空気感の中「やっぱいいです」って言える人いないと思う

 

 そして気がつけば顔剃りが始まっており、私は自分の最大のミスに気づいた
ここ美容院じゃない、床屋だわ

 

 非情にも続く顔剃り、泡で真っ白になる顔、強制的にスッピンになっていく私
眉毛がどんどんなくなっていった
太めのふんわり眉が自慢だったのに

 

 顔剃りが終わり、完全にスッピンになった私の元にようやくカット専門の美容師(男)がやってきた

「今日はどうしますか〜〜〜?」

 帰りたいよ私は

 そう思ったけど言えなかった
とりあえず毛先だけ切らせて帰ろうと思った

 

 1センチぐらい切ってもらえますか、顎ぐらいまで、と伝えると「オッケーっす!」と元気の良いお返事
サッサと切ってくれ 私は帰りたい

 

 そしてジャキッという音がした

 

 10センチぐらいの長さの髪が床に落ちてた

 

 えっなんで
1センチぐらいって言ったじゃん
  あと顎ぐらいまでって言ったじゃん

 

 右側の髪が耳ぐらいまでしかなかった

 思わず「えっ」と声を出すと「いや〜お客さん思い切りいいっすね!こんなに切るなんて☆失恋っすか☆」と言われた

 

 お前だよ、お前が勝手に切ったんだよ

 あと失恋じゃねえよ

 

 さすがに抗議しようと思い「あの、顎ぐらいまでって…」と言うと、
 「顎って言うのはぁ〜♪こ・こ♪付け根♡正面から見た耳の位置なんでっ☆」と返された
俺は間違ってねぇから(^_−)−☆ とでも言わんばかりのドヤ顔だった

 

 いや知らんわ

 

 もうとにかく早く帰りたかったが切られてしまったものはもう戻らない
結局左側も右と同じ長さに揃えられ、私はコボちゃんのようになってしまった

 

 切られている間、美容師は「ほんと思い切りいいっすよね〜〜〜!アニメっぽい髪型ってゆうか〜〜!コスプレとかするんすか〜〜〜?」とか一人で喋ってた
本当にうざい

 

 30分後、ようやく全てが終わり私は解放された

 

 会計時に1500円を要求された。顔剃りが500円かかってたらしい
こいつらは1500円でスッピンのコボちゃん(女)を作りあげたのだ

 

 もう世界中の何もかもがどうでもよくなったし、1000円カットは2度と使わないと心に誓った
帰ろうとする私に対し、美容師からトドメの一言が発せられた

 

「いや〜〜お姉さん!か〜〜〜な〜〜〜り♡攻・め・ま・し・た・ね♡」

 いやお前が勝手に攻めたんだよ

 

 家に帰った私は、その日のうちにアマゾンでウィッグを注文した。ウィッグは2900円だった
  もう普通に美容院行けばよかった

 

 みなさんも1000円カットに行くときはお気をつけください。

 

 

終わりです

 

執筆者紹介

み~たん

声がかわいい、優しいと よく褒められます

 

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