『PとJK』映画レビュー~「一緒にいられる方法がひとつだけある。……結婚しよう。」

 

writer/K・Kaz

 

 

今回は、公開されたばかりの話題の邦画、『PとJK』のレビューをおとどけします。
PとJKというのは、ポリスと女子高生の略です。
禁断の、警察官と女子高生の恋の行方は……?!
まずは、ストーリーからご紹介します。

 

STORY

 

本谷歌子(カコ)は恋愛初心者の女子高生です。
ある日、友達から、合コンの人数合わせに駆り出され、佐賀野功太と出会います。
歌子は、紳士的で男らしい功太に好意を持ちます。
そして、功太の方も、歌子に思いを寄せているようでした。
しかし、歌子が16歳とわかると、功太の態度は一変し、
「すぐに帰れ!」
と怒鳴ります。
実は、功太の職業は、警察官でした。
一度は別れた二人でしたが、歌子がチンピラに捕まってしまいます。
そのピンチに、功太が現れ、チンピラを取り押さえてくれます。
しかし、襲い掛かってきたチンピラの一人で歌子のクラスメイト、大神が功太を殴ろうとしたのを庇って歌子は気を失ってしまいます。
功太は、怪我をさせてしまったことで責任を感じます。そして、自分の年齢や、警察官という職業上の立場から、恋心をおさえきれないことに悩みます。
そして、功太は、散々悩んだ末、歌子にエンゲージリングを手渡します。
「結婚しよう」とプロポーズをしたのです。
突然のことに歌子は驚きますが、心惹かれていた功太からのプロポーズに、嬉しくなり、プロポーズを承諾します。
歌子の両親も、婚約に最初は驚き、反対していましたが、
「子供を作る行為は当分禁止」
などの制約を設けて、しぶしぶ二人の結婚を認めることにします。
歌子は、朝や休みの日には、洗濯、掃除、食事準備など、しっかりと家事をこなします。
また、功太の夜勤の際は、弁当を作り、職場に届けるなど、新妻の務めを果たしていきます。それでも警察官と女子高生の立場の違い、お互いの日常生活のすれ違いから、功太と歌子の関係は、気まずくなっていきます。
そんな時、大神の元・不良仲間が歌子たちの学園祭に潜り込み、勝手にチームを抜けた大神を連れ出すついでに、歌子も連れ去ってしまったのでした。……

 

 

 

REVIEW

 

人気少女漫画の映画化です。

春休みだったせいか、集客が見込めるからなのか、本作の他に、
「暗黒女子」
「ひるなかの流星」
「ひるね姫 知らないワタシの物語」
「チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話」
など、女子高生を主人公にした映画が多く封切られています。このラインナップを見ていると、「恋」「部活」「学校」「家族」など様々な困難に直面し、戸惑いながら子供から大人へ移り変わってゆく時期の、瑞々しく真っすぐな一面や、逆にすでに大人顔負けのしたたかな一面を見ることが出来、パワフルで心が動きやすい作品を作るのが流行っているのかなと思いました。

 

本作「PとJK」で、真っすぐで明るい性格の女子高生・本谷歌子を演じるのは土屋太鳳さん。
職務に忠実で冷静沈着ながら、心の中では犯罪を憎む熱い思いと、突然自分の生活に飛び込んできた歌子を愛おしく思う気持ちを秘めている警察官・佐賀野功太を演じるのは亀梨和也さん。
共に役のイメージ通りに演じており、すぐに作品に入り込むことが出来ました。特に土屋太鳳さんは、ダンスをずっとやられてきて、大学でも専攻していることもあって、踊りながらコミカルに演じる時もダンスにキレがあり「コメディもいけるんだな~」と楽しかったです。

 

しかしながら、原作をギュッと凝縮して作っているのか、ストーリーとしては急展開過ぎて、
「結婚していることをばらしても問題はないんじゃないの?」
とか、
「こんな事で夫婦が別れる必要ある?」
とか、自分の予想と食い違ったり、
「現実的じゃない」
と違和感を持ったりする部分もありました。ラストはそれなりに心を打ちますが、無理やりまとめたような印象が拭えませんでした。

 

そのような訳で、残念ながらこの作品の評価は星3とさせて頂きます。やはり主人公と同世代の高校生か、原作を先に読んでいる人でないと心の底から楽しむのは難しいのかなと思いました

 

 

K・Kazのこの映画の評価3

(本ブログでの、レーティング評価の定義)

☆☆☆☆☆(星5) 93点~100点
☆☆☆☆★(星4.5) 92点
☆☆☆☆(星4) 83点~91点
☆☆☆★(星3.5)80点~82点
☆☆☆(星3) 69点~79点)

 

 

 

監督/廣木隆一
製作国/日本
公開/2017年3月25日
出演者/亀梨和也
土屋太鳳
原作/三次マキ「PとJK」(マンガ)
上映時間/124分 

 

 

 

執筆者紹介

 

K・Kaz

石川県在住の男性です。
週末には、映画を5~7本ペースで観ていらっしゃるそうです。
にゃんくがリクエストした映画は、ほぼ全部見ているという、すごい方です。
淀川長治さんが生きていれば、互角以上の戦いができるのは、きっとK・Kazさんだけでしょう。
 

 

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