<あらすじ>
官庁に勤めるシュンスケは、来年、ネズミが大量発生して大変なことになるという予測を立てます。というのは、
120年に一度、笹の花が咲き、多くの実がみのる。それが来年に当たっていることが分かっていたのでして。
その年には地下のネズミたちが豊富にみのった笹の実を食べて大量繁殖することがシュンスケには予想できていました。
シュンスケはその災厄が現実のものとなる前に、上司に対策を進言しますが、官僚機構の前にその意見具申も握り潰されてしまいます。
やがて春が来て、シュンスケの予想通りとなると、もはや対策も後手後手となり、何物も食いつくしていく大量のネズミたちの前に、諸々の対策も何の効果もありませんてした。
腹をすかせたネズミのために人間の赤ん坊の喉が掻き切られたりするなど、さらに被害は広がりパニックとなります。そうして、その頃、ネズミの大群に異変が起こり、ネズミたちはある行動を起こすのでした。……
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何というか、開高健の真骨頂って感じでしょうか。と言っても、あまり開高健は読んだことはありませんけれど。
この物語を書くに当たり、文献を調べたり、取材とかもしてそうですね。
自然の力の前では人間たちもいかに無力であるか。自然の神秘。
そういうことを描いています。開高健って、釣りとかに出掛けたりしてアウトドア派って感じですよね。
そういう自然での経験がこの小説の血となり肉となっているように思います。
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