『ライク サムワン イン ラブ』映画レビュー~「84歳、かりそめの恋を夢みた。」

映画レビュー


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今回は、洋画「ライク サムワン イン ラブ」のレビューをお送りします。

writer/K・Kaz

 

STORY

どこかのクラブで、中年の男が女子大生・明子に話をしているところから話がはじまります。
明子は、デートクラブに所属しています。明子は、彼女に会うために上京してきた祖母のことを気にしており、仕事をする気になりません。そして、しつこくかかってくる彼氏・ノリアキからの電話にも悩まされています。
しかし、結局は断りきれずに指定された人物のもとに向かいます。電話の留守録には駅に置き去りにしてしまった祖母からのメッセージが何件も入っており、自己嫌悪にさいなまれます。
84歳、元大学教授のタカシは、亡き妻に似た若い女性・明子を、デートクラブを通して家に招きます。整えられたダイニングテーブルには、タカシによってワインと桜海老のスープが準備されています。
明子は、試験勉強で徹夜続きだったため眠気に勝てず、料理に手をつけようとしません。それを見て、タカシはがっかりしますが、何とかスープだけでもと説得しつづけます。
翌朝、明子が通う大学まで車で送ったタカシの前に、彼氏のノリアキが現れます。最初、ノリアキはタカシを明子の祖父だと勘ちがいし、車の修理をかって出るなど親切にします。しかし、やがて2人の関係を怪しみはじめ、執拗に追求しはじめます。……

REVIEW

登場人物は、全員日本人ですが、監督はイラン人のアッバス・キアロスタミ氏です。そのせいか、従来の日本映画にはないような独特の雰囲気を持った作品です。一つのシーンが長く、ほとんどが登場人物の会話でストーリーが進行してゆきます。
この作品には多くの謎が散りばめられています。
例えば、なぜ明子は、デートクラブで働いているのか? タカシの部屋にかかっていた女性の絵は誰なのか? 明子と関係はあるのか? しかし、全ての謎に答えが用意されているとも限りません。
「あれはどういうことなんだろう?」
と考えずにはいられません。
ごくありふれた日常を描いているようでありながら、ノリアキの狂気じみた愛情はサスペンスのようでもあり、見ているうちに不思議とドキドキしてきてしまいます。派手さはなく、万人受けはしないかもしれません。しかし、日常に潜むミステリアスな雰囲気を楽しみたい人にはおススメです。
不思議で心に残る一作であることは、まちがいありません。
また、明子を演じた高梨臨さんの出世作でもあります。デートクラブで働いたり、DVの男と別れられなかったりするような意志の弱さや迷い、タカシの部屋でみせる無邪気な表情も本作の見どころです。

本作の評価は星3.5とさせて頂きます。

K・Kazのこの映画の評価3.5

(本サイトでの、レーティング評価の定義)
☆☆☆☆☆(星5)93点~100点
☆☆☆☆★(星4.5)92点
☆☆☆☆(星4)83点~91点
☆☆☆★(星3.5)80点~82点
☆☆☆(星3)69点~79点

 

作品情報
『ライク サムワン イン ラブ』
監督/アッバス・キアロスタミ
出演者/奥野匡
高梨臨
加瀬亮
上映時間/109分
製作国/日本
フランス
公開/2012

 

 
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