writer/K・Kaz
今回は、現在公開中の洋画『素晴らしきかな、人生』のレビューをおとどけします。
まずは、ストーリーからご紹介します。
STORY
ハワードは、広告代理店の代表として成功してきましたが、愛する娘を失ったことを機に、仕事も私生活もままならなくなり、抜け殻のようになってしまいます。
やがて、会社の業績も悪化し、大口顧客も離れてゆきます。
会社を守るための買収話が持ち上がりますが、ハワードは上の空で、「死」「時間」「愛」へ手紙を書いたりする有様です。
そんな様子に、友人であり幹部社員でもあるホイット・クレア・サイモンの3人は困惑しますが、ある日、ハワードに現実を認識させるため、舞台俳優であるエイミー・ラフィ・ブリジットの3人を雇い、「愛」「時間」「死」を演じてもらうことを思い付きます。
それは最初はハワードのためでしたが、3人は俳優たちと会ううちに、それぞれが密かに抱えていた問題にも向き合ってゆくことになるのでした。
REVIEW
幸せの絶頂からどん底に突き落とされ人生の意味を見失った男と、何とか彼を救おうとする友人たちの、温かい心遣いが胸に染みます。
クリスマスシーズンのNYが舞台で、少し不思議な雰囲気が漂っていて、何となく「クリスマス・キャロル」を連想してしまいました。
どうしても越えられない辛さを抱えてしまうと、立ち直ろうとする気力さえ無くなってしまうのかもしれません。
どうしようもない位にボロボロになったハワードが繰り返す行動は、一見すると無意味に思えますが、実は深い意味があると分かるとまた泣けてきます。
彼を気遣う3人の友人達も、俳優達と接する内に問題を抱えて悩んでいる事が明らかになってくると人間味が感じられて良かったように思いました。
そして、何と言っても、どうしようもない悲しみを、それでも何とか受け入れて前に進んでゆこうと、ハワードがちょっとずつ自分を変えてゆく姿が、
「がんばれ!」
とエールを送りたくなる程に胸を打ちます。
ところどころ、展開が早すぎるところもあるように感じましたが、身近にいる家族や友人の大切さを改めて考えさせられる作品でした。
writer/K・Kaz
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