writer/K・Kaz
今回は、邦画『鍵泥棒のメソッド』のレビューをおとどけします。
第86回キネマ旬報ベスト・テンで日本映画脚本賞などを受賞した、評価の高い作品です。
まずは、『鍵泥棒のメソッド』のストーリーからご紹介します。
STORY
売れない役者・桜井は貧乏なうえに恋人もおらず、人生に絶望して自殺を考えています。しかし、死ぬ時に汗臭いのは嫌だということで、銭湯に行くことにします。
同じ頃、誰も顔を見たことのない「伝説の殺し屋・コンドウ」こと山崎は、ひと仕事終えて帰るところでした。山崎は、袖口についた血が気になって、それを洗い流そうと銭湯にやって来ます。
山崎は桜井の横で体を洗い、先に出ようとしますが、桜井がうっかり落とした石鹸を踏んで転倒し、気絶してしまいます。着替える時にコインロッカーに大金の入った財布をしまうのを見ていた桜井は、ちょっとした出来心で山崎のロッカーの鍵と自分の鍵をすり替え、中身をそっくり盗んで逃げます。借金を返したら残りは返そうと、桜井は山崎が運び込まれた病院に潜り込みますが、目を覚ました山崎は、自分を桜井だと思い込んでいます(頭を強打していたため)。
仕方なく、山崎に成り代わった桜井のもとに、やくざの工藤から大金が絡む殺しの依頼が舞い込み、桜井はやむなく引き受けてしまいます。
さて、もうひとりの登場人物・水嶋香苗は、一流の物ばかりを紹介する雑誌『VIP』の編集長です。水嶋香苗は、几帳面な性格で、人生から日常まで、全てを計画的に進めてきました。そんな彼女は突然、周囲に結婚を宣言し、予定した日までに結婚できるよう婚活を開始します。
ある日、水嶋香苗が、父親の見舞いで病院を訪れたとき、記憶喪失で途方に暮れている山崎に出会います。道を訊かれた香苗は、山崎を区役所まで送り届けますが、何だか山崎を放っておけなくなり、山崎の記憶を辿る手がかりを探す手伝いをはじめます。
自分のことを桜井だと思い込んでいる山崎は、元々が几帳面な性格だったため、一流の役者となることを目指して真面目に努力しはじめます。そんなひたむきな姿に胸を打たれた香苗は、いつしか彼に惹かれている自分に気付きます。
一方、成り行きで殺人依頼を受けてしまった桜井でしたが、人殺しが出来るはずもなく、逆に標的の女性を助けようと奔走しはじめるのでした。
REVIEW
殺し屋になりきろうと必死になる桜井を堺雅人さん。
記憶を取り戻そうと四苦八苦する元殺し屋を香川照之さん。
几帳面だけれど、恋には不器用な編集長を、広末涼子さんが演じている、見ごたえあるコメディです。
ただ笑えるだけではなく、サスペンスの要素や一生懸命に生きる人に元気をくれるような感動できるシーンもあります。観客の予想を裏切る、どんでん返しが幾つも仕掛けられており、エンドロールが終わるまで気が抜けない、よく作り込まれたストーリーに3人を演じる役者さんの演技力もプラスされた傑作です。
本作品の評価は星4つとしたいと思います。
K・Kazのこの映画の評価4
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(本ブログでの、レーティング評価の定義)
☆☆☆☆☆(星5) 93点~100点
☆☆☆☆★(星4.5) 92点
☆☆☆☆(星4) 83点~91点
☆☆☆★(星3.5)80点~82点
☆☆☆(星3) 69点~79点)
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