意地っ張りのみやさこ

みやさこはとっても元気な男の子

みやさこは面白いことがだいすき

みんなの前で、いつも面白いことを言っていました

ある日、みんなで雪遊びをしていたら、

みやさこが友だちに、雪のたまを強くぶつけてしまいました

痛いよみやさこ 何をするんだい

「いやお前これテレビやぞ 普通に投げてもおもろないやんか」

それでも痛いものは痛い 僕はもう帰るよ

友だちは帰ってしまいました

「おい!TVショーやぞ! ちゃんとおもろくせえ!」

みやさこは大きな声で言いました

あの、みやさこ 僕も帰るよ

僕も帰る

それじゃあ僕も

みなみやさこの態度を見て いなくなってしまいました

「いや、往年の置き去りオチをすな!」

またある日、みんなで鬼ごっこをしていたら

「ほなうちの嫁が鬼な ごっつい恐いから」

みやさこ、鬼はみんなでじゃんけんをして決めようよ

「なんでや! その方がおもろいやんけ!」

みやさこ、僕は鬼ごっこはやめとくよ

僕も

この日もみやさこの言葉をきっかけに 解散になってしまいました

「なんでや、みんな笑いが分かってへん おれが一番おもろいやんけ」

みやさこは腹を立てました

そこに偶然、オールおじさんが通りかかりました

「おう、みやさこやないか どないしたんや」

「どうもこうもあらへん みんなおれがおもろくしてるのに、それに抵抗するんや」

オールおじさんは「うーん」と大きく考えたあとに、こう言いました

「まずな、現場でいちばん大事なんはチームワークやねん

みなの理解や調和があってこそ 初めてボケや笑いが成立する

お前はその前提の礼儀を 見落としてるんちゃうかな」

そう言うとオールおじさんは 明るい笑顔で去っていきました

「なんでや おもろいのが一番いいやんけ」

またある日、みんなでサッカーで遊んでいました

みやさこは自分が転んだ時に 無傷なのに大げさに担架を呼ぶボケを考えていました

でもその前に 友だちが激しく転んでしまいました

友だちの脚からは、血が出ています

みやさこはここぞとばかりに マキロンを関係ない腕にかけようとしました

そこでみやさこは ふとオールおじさんの言葉を思い出しました

(大事なのはチームワークか・・・)

みやさこはマキロンを持つのをやめて 友だちに「大丈夫か?」と聞いてみました

友だちは「大丈夫。ありがとう」と言い、みやさこに笑顔を向けました

みやさこは はっと気づきました

「笑いって ボケなくても生まれるんや」

それからみやさこは 気遣いとお笑いを 両方いしきにするようになりました

みんなとても楽しく 笑いあうようになりました

もう誰も みやさこに愛想をつかすことはなくなりました

おしまい

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